街の宝石店や書物では得られない、本物のジュエリーについてお話しいたます。
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ご相談No.0116の答
まず、「宝石は1ctあるのとないのとでは価値が全然違う」というのは、間違いです。
宝石の大きな価値の1つは「美しさ」です。
では、宝石の「美」はどうしてつくられるかというと、
もちろん宝石の持っている資質に因るのですが、その資質を引き出すのは「光」の役目です。
宝石の美しい輝きのためには、「光」が絶対に必要です。
宝石が大きいと、宝石に取り込まれる光が多くなります。
つまり、「大きい」ということは、それだけ「美しさ」を引き出すことができるというわけです。
また、宝石のもう1つの価値に「希少性」があります。
大きな宝石は、大きな結晶からしかカットできませんので、それだけ、希少性が高くなります。
つまり、「美しさ」と「希少性」という2つの観点から見て、
「大きな宝石は価値がある」ということになります。
ここで、「大きいってどれぐらい?」いう疑問が湧いてきます。
どうも、この辺りから誤解が生まれているようです。
価値のある宝石の大きさは、宝石の種類によって変わります。
比較的大きな結晶が産出しやすい宝石もあれば、
1ct以上を越える結晶はめったに産出しないという宝石もあるからです。
もう1つは、宝石の大きさを表す単位として「カラット」が使用されていますが、
カラットは重さの単位であるということです。
「美しさ」においても「希少性」においても、
「大きさ」というのは、見た目の大きさのことを指しています。
例えば、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドで考えると、1ctの直径は約6.51mm。
0.98ctの直径は6.47mmになります。
その差は、約30ミクロン。つまり、見た目にはほとんど変わらないのです。
結論としては、宝石の大きさは、宝石の価値に影響しますが、
価値が急変する境目があるわけではありません。
また、価値のある大きさをカラットで表現することもできないのです。
ご相談No.0115の答
エメラルドは宝石の中で一番キズが多いといわれています。
エメラルドの主成分であるベリリウムと、美しい緑色の原因であるクロムは、
地球内部で遠く離れて存在します。
それが、大規模な地質の変動等により、奇跡的に出会った結果、誕生したのがエメラルドです。
本来、含有されないようなものまで取り込んでいるわけですから、
エメラルドには、その他にも、多くのものが取り込まれています。
それらが、研磨されて表面に出たときに、キズとなってしまうのです。
このキズに無色材を含浸させることでキズを見えにくくする方法は、古くから行われていました。
無色材には、エメラルドと屈折率の近い物質として、
主としてセダーウッド・オイル等の天然オイルが用いられていましたが、
近年では、エポキシ樹脂などの合成樹脂が広く用いられているようです。
合成樹脂になってからは、そのようなことはなくなったように思いますが、
天然オイルの場合は、長年使用していると、どうしても抜けてくるようですね。
もう一度、オイルを簡単に浸み込ませる方法としては、
ベビーオイルを指でエメラルドに塗りこむという方法があります。
ベビーオイルを塗ると、元の状態に戻すことができますが、勿論一時的なものです。
永続的な対処方法を望むのでしたら、
お近くのジュエリーショップにご相談してみる方が良いと思います。
オイルや樹脂は、熱や薬品の影響を受けやすいので、
エメラルドは、そのようなものの近くにはおかないように。
そして、洗い物などの家事をするときは、必ず外して下さい。
エメラルドは、ジュエリーを大切に扱うことのできる上級者向きの宝石といえます。
ご相談No.0114の答
ジュエリーデザイナーは、画家ではありません。
1つのジュエリーを設計する、言ってみれば建築家のようなものです。
お家の場合、その土地の気象や土壌の性質を考慮して、材質や屋根の傾斜・窓の取り方を決定。さらに、強度や機能性を考慮して、細部の設計を行います。
優れた設計に基づいて建てられたお家は、
見た目が素敵なだけでなく、住み心地も良いものです。
ジュエリーも同じです。
使用する宝石の硬度や耐久性、形とサイズ、透明度や輝きのバランスが良く考えられていて、
その宝石の美しさが最大限に引き出され、
耐久性に優れ、着け心地の良いものが優れたデザインです。
従って、ジュエリーデザイナーはただ絵が上手いだけでは務まりません。
まず、宝石の性質をよく理解していなければなりませんし、
当然、加工の知識が必要です。
しかし、建築家も大工さんである必要がないように、
ジュエリーデザイナーも職人さんである必要はありません。
建築家は設計図を描き、現場で職人さんたちに指示を出しながら、お家を完成させます。
ジュエリーデザイナーも、デザイン画を描き、
職人さんに指示を出して、ジュエリーを完成させるわけです。
つまり、実際に、商品としてもジュエリーを制作する技術は持っていなくても、
地金の性質や、ジュエリーを制作する手順、耐久性のある構造や着け心地の良い構造等を
知識として理解していて、
実際に完成したジュエリーが、基準に達しているかどうかを判定できる能力があれば良いのです。